ご案内
当社でショッピングカートによる購買行動を前提に各部門のレイアウトを統一したシミュレーションを行った結果、柱間ピッチは37フィート(約11.3メーター)となりましたが、たぶんこれが今後の郊外多層型商業施設のデフェクト・スタンダードになっていくでし『流通革命』を標梼して登場した量販屈も店舗の大型化と多店化の過程で販管費が肥大していき、お値打ち品を割安に提供する力を失っていきました。
大型化はカテゴライゼーションを招いて提供方法の分散と販管費の肥大化をもたらし、多店化はマス調達と個店対応のギャップを招いてマークダウンロスの肥大化をもたらしました。
1992年2月期の売上対比販管費率はジャスコ(現イオン)が20.9%、イトーヨーカ堂も20.4%に抑えられていましたが、2002年2月期のそれはイオンが29.2%、イトーヨーカ堂も26.3%と、わずか10年で前者は8.3ポイント、後者も5.9ポイント上昇してしまいました。
この間に量販店業界の売場面積が58.4%も増えて販売効率が3分の2に低下したことを割りヲ|いても、コスト体質の悪化は業態が変わってしまうほど大幅なものでした。
イオンとイトーヨーカ堂の販管費率格差は、前者がこの間にSC戦略を押し進めてデベロッパー機能とそのコストを加えたこと(非分離の社内開発部門)、後者が本業に徹して業務プロセス改革を押し進めたことを勘案すべきでしょう。
イトーヨーカ堂の業務改革はイオンが実現せんとしているような革命的なものではありませんが、最適な効果を最小の負担で最短に手に入れようとする賢いものではありました。
とまれ、20%台後半から30%に迫る販管費率はウォルマートの16.6%(2002年1月期)、しまむらの21.5%(2002年2月期)、ヤマダ電気の13.7%(2002年3月期)と比すれば格段に高いから当然、価格競争力の弱さは否めません。
家電の専門デイスカウンターとの格差は特に大きく、かつてはドル箱だった家電部門の縮小や廃止、外部委託が急進しています(開発輸入等で競争力を残しているイオ量販店の価格競争力を損なっているのは販管費率の高さだけではありません。
プロパー消化率が低位にとどまってマークダウンロスが大きく、調達によって創造した値入れの歩留まりが極端に悪いのです。
ちなみに2002年2月期におけるイオンGM部門(衣料・服飾中心)の実現粗利益率は売上対比で33.5%でしたが、値入れ率を実質50%程度と見て計算すれば、その半分強がマークダウンで消えたことになります。
その額は売上対比で33.4%、値入れ対比で51.6%、1600億円を軽く上回ります。
量販店では最もキメ細かな運用で消化率も高いとされるイトーヨーカ堂の衣料部門でさえ、売上対比37.4%の実現粗利益率から値入れ率を50%と見て計算すれば、値入れの4割がマークダウンで消えています。
その額は売上対比で25.2%、値入れ対比で40.2%、1100億円に迫ります(2002年2月期)。
しまむらの実現粗利益率は27.6%と量販店の衣料部門よりひと回り低いのですが、売価を抑えて競争力を高めるため値入れを31%に抑えているからです。
単純計算すれば、しまむらは大手量販店の3割安(0.725)の売価を付けていることになります。
それができるのも、きめ細かい自動配分と絶対単品店間移動で最適な個店対応を実現し、マークダウンロスを売上対比で4.9%、値入れの15.2%に抑制しているからです(2002年2月期)。
量販店の膨大なマークダウンロスが値入れを食いつぶし利益を圧は、マス調達と個店の販売動向を最適にリンクする現実的な仕組みが欠落しているからです。
それを解決するには、最適供給のテクニカルな仕組みに加えて店舗業務と後方業務のプロセス革新が不可欠で、既存の商流や物流の枠にとらわれないSCMとロジスティックス体制を築く必要があります。
それを実現すれば、しまむらのように値入れを抑えて粗利益率を27.6%にとどめても販管費率を21.5%に抑制し、ウォルマートのように粗利益率を21.2%にとどめても販管費率を16.6%に抑制できるはずです。
日本の量販店は『流通革命』というイデオロギーを標梼して急成おろか、SCMとロジスティックス、業務プロセスとマネジメントの統合的な戦略構想、を描けぬまま退化の陸路に陥り、多くの企業が行き詰まってイデオロギーに終わってしまいました。
それはチェーンストアと前後して20世紀初期に芽生え、20世紀とともに消えていった社会主義の姿と二重写しに見えます。
このような壮大な『革命』を統合的に設計し、本気で実行しつつある民族資本量販店はもはやイオンしか存在しません。
決断をもたらした背景はウォルマートに代表されるグローバルプレイヤーの日本進出でしたが、前世代の経営者たちがイデオロギーに終わらせた『流通革命』を新世代の経営者がダイナミックに実現していく姿に確固とした意志を感じます。
効率至上の工業化文明たる20世紀の終罵と前後して、平板な工業製品から多様な「面」を持った手工業製品へとマーケットの晴好が一変し、さまざまな後加工や付加加工、デザイン性を効かせたテイストの濃い商品が求められるようになりました。
「企業都合の効率優先で調達背景も素材もデザインも絞り込み、品揃えのバラエティもコントラストも欠いていた工業的SPAやナショナルチェーンはこのマーケットの一変に対応できず、人手をかけた非効率な調達で手の込んだ多様な「面の商品を揃えるセレクトショップが時代の主役に躍り出たのです。
セレクトショップ台頭の背景としては、工業的なSPA商品の氾濫と同質化に対する反発や人の手の温もりを感じさせる手工業的製品への'憧憶に加え、自己編集能力を身につけた消費者にとっての選択の場という一面も見過ごせません。
セレクトショップの品揃えはフォーカスこそ絞り込んでいるものの、その中での「面」のバラエティがありますから、少しづっ好みや体型の異なる顧客が選択する余地があるのです。
セレクトショップの顧客は店のフォーカスに共感しながらも、「面」のバラエティと「外し崩し」の着こなしによって自分の主張も通しているのです。
20世紀のファッションビジネスはDCブランドにせよSPAにせよ、結局は売り手都合のプロダクトアウトに流れて顧客との双方向性を失っていきましたが、セレクトショップは手聞をかけた調達と品揃え、「外し崩し」の接客で個屈と顧客に応えています。
そのセレクトショップとて多店化とともにSPA体質が強まり、やがては売り手都合に堕していくリスクをはらんでいます。
顧客との双方向性を失うことなく、いかにして事業規模を拡大していくか、さまセレクトショップ台頭の背景効率至上の工業化文明たる20世紀の終罵と前後して、平板な工業製品から多様な「面」を持った手工業製品へとマーケットの晴好が一変し、さまざまな後加工や付加加工、デザイン性を効かせたテイストの濃い商品が求められるようになりました。
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